ご相談者からの話でよくあがるテーマの1つに自己肯定感があります。
「親から否定されて育ったので自己肯定感を感じたことがありませんでした」
「自分を認めるってどういうことなのかよく分かりません」
などなど、かなりの数の方がこのような問題に悩んでいらっしゃいます。
私もうつ病を患っていた時や病前は自分のことがムカつくほど嫌いだったのでその気持ちは痛いほど分かります。
今回は、今だからこそ思う自己肯定感についての私なりの捉え方を共有させて頂ければと思います。
目次
1.環境によっては自己肯定感を得られなくても当然のこと
前段の例にもあるように、親から否定されて育ったりすれば当然自己肯定感を得られなくても不思議ではありません。
子は生きていくために、いや本能的に親から認められようと頑張ってしまうものです。
その子なりの頑張りをずっと認めて貰えないのであれば、「自分はダメな奴だ」と思わざるを得ませんものね。
したがって、生育環境などによっては自己肯定感が身につかないのは当たり前の話で、その子本人が悪いということでもないのです。
そうかといって親が全て悪いのかと言われるとそれも難しい話で、親の親からの関りが強かったりすれば一概に責めることも出来ません。
メンタル系の疾患や、性格などが遺伝するのは、遺伝子のことも当然ありますがコミュニケーションや関わり方から遺伝してするものも少なくないのでしょう。
このあたりで思い当たる方の人生のテーマは「自立」。
本当に悲しい事ではありますが、自分の親から認めて貰えないのであればもうそれは諦めて、他に分かってくれそうな人を見つけていくのが良いでしょう。
どのような人であっても、あなたのことを分かってくれる人や分かろうとしてくれる人は0ではないはずですから・・・
2.自己肯定感って何なの!?
ここはすごく大事なことなのですが、そもそも自己肯定感なんて言うものは存在しません。
いろいろな書籍に書いてあろうが無いものは無いです。
なぜなら、自己肯定感って概念のようなもので目に見えないものですからね。
そんなおぼろげな概念を追い求めようとしてもおそらく得られないのだと思います。
うつが寛解して、自分のことを好きになれた私も「自己肯定感があるか?」と問われるとよく分からないのです。
私が感じる自己肯定感は、自分のことを好きか嫌いか尋ねられた時、
「嫌いではなくて好きな方」
とこのくらいのふんわりした肯定感で十分楽に過ごせています。
もしかすると、自己肯定感は必死に得ようとすればするほど遠のいてしまうものなのかもしれませんね。
3.【実践】自己肯定感を感じるために
そうは言っても、このブログを読んでいる方は自己肯定感を高めたり感じたいと思っている人が多いでしょうからいくつか具体的な方法も紹介しておきます。
ただ、前段にもあるように「うわっ、これが自己肯定感か!?」というはっきりしたものは無い点はご了承ください。
☆一日一個達成可能な自分だけの密かな目標設定
大人になるにつれて人から褒められるような機会も減るので、せめて自分が自分に〇を付けてあげる訓練をするといいです。
それがこの密かな目標設定にはなりますが、目標はどんなことでも構いません。
・今日の晩御飯はお肉を食べるぞ!
・仕事で苦手な〇〇さんに話しかけてみよう!
・今日はいつもより5分だけ長めにお風呂に入ってみよう!
このような簡単な目標から始めて大丈夫です。
大事なことは自分が自分に〇を付ける習慣作りなので、ネガティブ思考の人などは騙されたと思ってやってみると良い効果があるかもしれませんよ?
☆見た目に気を配るようにする
これは人を選ぶかもしれませんが、見た目に気を配ることで自己肯定感を感じるきっかけは作れると思います。
・筋トレをして健康的な体になる
・お化粧やネイルをして綺麗になる
・自分の好きな服を着てみる
パット見た自分の姿に自分が「おっ、よしよし」と思えれば、それは自己肯定感ちょっとゲットです。
大事なことは自己満足なので、他人から評価を得ようとせずにあくまで自分の主観を優先すると良いかと思います。
4.分からなかったらお気軽にご相談を・・・
先ほどもお伝えした通り、自己肯定感は概念的なものなので、人それぞれ感じ方は異なります。
ここで紹介しているのは個人的に効果のあったものになりますので、人が変わればその人独自のやり方がきっとあるでしょう。
まぁ、何事も試しにやってみることは大事なことではありますので、ここにあげたものをやってみて上手くいかなかったらご相談ください。
おそらく「自己肯定感がない」=悩みの全てということではないと思いますので、何から手を付けていけばいいか分からない時などは、私と一緒に今から出来ることを考えさせて頂けると嬉しく思います。
うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。