最近、数多くのお問い合わせを頂き大変ありがたいと思っています。
ただ、以下のようなお問い合わせは回答が難しい事があります。
「夫をカウンセリングに連れていきたいのですが、どうすればいいでしょうか?」
「子どもが不登校で家に引きこもっているのですが、そちらでみてもらえますか?」
「母(または父)が変わってくれないと家がめちゃくちゃなので、どうにかカウンセリングを受けさせたいのですが・・・」
確かに問題の所在が自分以外にある場合、このように思うことでしょう。
今回は、「カウンセリングを受けてもらいたい人」がいる方に向けて、私なりの考え方をお伝えします。
1.本人にカウンセリングを受ける意思があるのか?
いくら人に強く勧められたとしても、本人にその気が無ければ足を運ぶことは難しいでしょう。
例えば、あなたが他の人に全く興味のない趣味を強く勧められたらどう思うでしょうか?
いくらその趣味の魅力的な部分を熱く語られたとしても、興味がない以上やる気は起きませんよね?
仮にその趣味を始めようとしても、仕方なくやったり、いやいや始めたりとネガティブな状態からのスタートになるでしょう。
そのような心持で始めようとする趣味は長続きしませんし、楽しさを感じる前に見切りをつけてしまうかもしれません。
私はカウンセリングにも同じようなことが言えるのではないかと思います。
なので、お問い合わせ時にも本人(受けて貰いたい人)の意思確認はするようにしています。
2.期待感(ポジティブな要素)が無ければ人は動かない
何をするにしても、期待感が無ければ人は動かないでしょう。
カウンセリングを受けることでどんな風になるかはやってみないと分からないのが、カウンセリングを勧める難しさなのかもしれません。
私自身、カウンセリングを多くの人に受けてもらいたいですが、その効果は保証できないのが本音です。
ただ、私自身の体験やご相談者さんの体験では、受けないよりも受けてよかったと感じてもらう人が圧倒的に多いのは事実としてあります。
初めてやることに対して、良いイメージを持つことは難しいことかもしれません。
ただ、少しでも「やってみようかな?」と思える気持ちは、カウンセリングを受けるための必要条件になりそうです。
3.自分の知らないことを人に勧められない
これもよくある話で、カウンセリングを受けたことが無い人がカウンセリングを勧めようとしても上手くいかないのは当然ですよね?
反対にカウンセリングを受けてよかったと思えた人が誰かに勧めるとしたら、説得力が増すような気がします。
自分が体験してみて、初めて分かることはたくさんあります。
パートナーや子ども、親に勧めたいのであれば、まずはご自身がカウンセリングに触れ、どういうものかを知る必要があるように思います。
それに、身近な人が困っているのであれば、相手はもちろん自分自身の悩みにもなるはずですよね?
それならばカウンセリングを勧める側も、カウンセリングを受ける対象者になりそうです。
(*そもそもカウンセリングは誰が受けてもOKです)
特にカウンセリングはカウンセラーによって考え方や見立て、扱う心理療法や関わり方などにばらつきがあります。
なので、広く「カウンセリング」と言っても、関わり方や進め方にばらつきがあることは覚えておくといいかと思います。
したがって、カウンセリング選びでお勧めは、単発の受け入れ可能なところやお試しのカウンセリングがあるところがいいでしょう。
パッケージ(例:5回=30,000円など)はお得感があるかもしれませんが、最初に行って嫌だと感じたら残り4回が苦行になりますからね。
4.~最後に~
カウンセリングを求める人が多い反面、まだまだカウンセリングに対してマイナスイメージを持つ方が多いです。
私のカウンセリングに対する考え方は、「何を言っても許される場」だと思っています。
日頃我慢していることや、誰にも言えなかったことを吐き出せたときやカウンセラーの先生の関りによって「気付き」が生まれ、悩み解決の糸口が見えてくるのかと思います。
今回、カウンセリングを勧める側に焦点を当てましたが、人を変えるには自分が変わることが一番手っ取り早いです。
相手に変わる努力を求めず、自分が変わる努力をすることで人間関係の悩みは改善され、色を変えるでしょう。
うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。