認知行動療法

心理療法紹介 認知行動療法

現在、臨床場面で非常に多く用いられているカウンセリング療法の1つが、認知行動療法です。

「今の状況が変わるのなら、何でもやるぞ!」という行動的な方は短期間で効果が期待できます。

 

ただ、気持ちが滅入っている時や気分がどうしても上がらない時、

自分の行動や考え方を見直すのは辛いという時は別の心理療法がいいかもしれません。

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認知行動療法のアプローチ

登山ルートの分かれ道

  1. 何か出来事が起こった時、人はまず認知をします。
  2. 認知をしたら、考えていく中で感情が芽生えます。
  3. 感情が芽生えたことで、今度は行動に移ります。

認知と感情、感情と行動は密接に関係しているため、認知と行動に何か刺激を与えれば感情が変わるのではないか、というアプローチです。

(認知療法+行動療法)を組み合わせた心理療法になります。

 

ご相談者の方の多くが、

  • 「不安」を取り除いて欲しい
  • とにかく「つらい」から何とかして欲しい
  • 「イライラ」してしまう自分をどうにかしたい

などなど感情面に対してどうにかしようと焦点が向かってしまいます。

 

ただ不安なものは不安だし、つらいものはつらいし、イライラだって抑えようとしても難しいですよね?

感情と密接に関係のある認知(考え方)や行動が変われば、連動して感情も変わってくるはずなので、

些細な事でも変化をさせるとあらゆる出来事の感じ方が変わり負の感情も変わっていくかもしれません。

自転車で走っている時に人前で転んでしまった

自転車で走っている時に転んだ

このような出来事があると、まず先に認知(思考)します。

「自転車壊れていないかな・・・」

「人に見られてしまった」

「自分の怪我は大丈夫か?」などです。

 

次に感情が芽生えます。

「自転車高かったのに、悲しい・・・」

「人に見られて恥ずかしい・・・」

「どうしよう、どうしよう(焦り)」など

 

最後に行動に移します。

自転車が壊れていないか確認する

顔を赤くしてうつむく

汗をかいてあたふたするなど

 

仮にこのエピソードから、私が自転車に乗るといつも失敗をするから『怖い』と認知してしまったとします。

このように考えると自転車に何か二度と乗りたくないと感じてしまいますよね?

認知療法的アプローチ

たくさんの電球

前段の例を、落ち着いて考えてみると、

×自転車に乗ることは怖い事

×いつも失敗する

上の2つはそうなるとは限りませんよね?

 

人は何か失敗や嫌な目に合った時に、今後そういうことが起きないよう自分を守るための考えを身に付けます。

往々にしてその考えには認知の歪み(偏った考え方)が生じます。

この偏った考え方は、人より多くのことにストレスを感じる原因となり、生き辛さや窮屈さに繋がるかもしれません。

(偏ったままで良しとすることもありますが・・・)

 

カウンセリングで出来事に対していろいろな認知が出来るようになり、

その認知に少しでも変化があれば先の例の自転車に乗ること=『怖い事』という自分を苦しめるような考えから脱却できるかもしれません。

このような認知(考え方)に対するアプローチが認知療法的なアプローチになります。

行動療法的アプローチ

高原を走る人

「先生、そんなこと私も散々考えました!!でも上手く切り替えられないんです・・・」

よく言われますし、その気持ちも良く分かります。

 

かつて私がうつ病を患っていた時に、自分でも考え過ぎていて自分で自分の首を絞めているような感覚に何度も陥りました。

分かっていても変えられないって本当に辛い事ですよね。

 

こんな時は、行動を変えてみると良いかもしれませんよ!

 

先の自転車の例で言えば、

  • 自転車に乗っている他の人をただ観察してみる
  • 誰にも見られない場所で自転車にまたがってみる

適度な段階を踏みつつ、行動をしてみるといつか「あれっ?自転車ってそんなに怖いものじゃないんじゃない?」と思えるようになるかもしれません。

 

ここで、大事なポイントは解決を焦り過ぎないこと!

出来ないことや嫌なことを急に出来るようにしたり、好きになることは現実的には難しいです。

 

出来る範囲で今の行動に変化というスパイスを与えてみると感じ方や感情にも変化が訪れることでしょう。

このように何か行動をしてみることで「怖い」という気持ちを変えていくという方法が行動療法的アプローチです。

 

また、認知療法や行動療法あるいはセットになったワークもありますが臨機応変にやっていくといいでしょう。

段階的にやった方が良いという面もあるので、プログラム化しているところもありますし、関連書籍もそのような構成になっていると思います。

ただ、やらされてやるでは効果が出づらいですし、かえってストレスにもなってしまうので自分のペースでやり続けるといいでしょう。

リラクゼーション法

リラクゼーション法

リラクゼーション法も認知行動療法の特徴の1つです。

代表的なものは、呼吸法です。

 

人は過度な緊張状態に陥ると、呼吸が乱れ上手く酸素を取り入れられなくなります。

このようになることで、焦って通常はしないミスをしたり、上手く言葉が発せなくなったり、ひどい時には過呼吸や意識を失うことがあります。

 

ストレスを強く感じる場面や、生活習慣の一部に取り入れてみるといいかもしれません。

やり方の一例を紹介すると、

「1,2,3・・・・8」と心の中で数を数えながら息を吸い、

「1,2,3・・・・8」×2で息を吐きます。

目を閉じて、お腹や胸が膨らんだりしぼんだりすることを感じながら行います。

数分間続けることで、呼吸のリズムが整ってきます。

 

すぐにカッとなってしまう人や緊張しやすい人にも効果的なので、試してみて下さい。

まとめ

あなたオリジナル

認知行動療法は上手く導入できると非常に効果が良く見られる療法です。

 

ただ、導入しようにも相談者のことをよく知らなければ難しいですし、

信頼関係が築けていないと「なんであなたに言われなければいけないの?」となるかもしれません。

 

認知行動療法のワークもやらされてやるのでは効果は激減です。

あくまで私は相談者にとっていいかな?と感じたことを伝えて情報提供をする役割です。

やる・やらないは相談者の自由ですし、ちょっとそれはハードル高いなと思うことは遠慮なくお伝えください。

 

小さな変化や小さな努力を無下にしたり、バカにする人がいるかもしれません。

私はその人がその人の出来る範囲で頑張っているのであれば素直に出来・不出来問わず素直に応援したくなります。

 

今できることを1つずつこなしていけば、きっと自分の世界は変わっていくことかと思います。

そのお手伝いが出来れば、カウンセラー冥利に尽きるというものです。

(PFスタディは認知行動療法と相性の良い心理検査です)

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