私も4歳と1歳の男の子二人を持つ父親なのですが、子どもの癇癪には振り回されてしまいますよね。
余裕が無い時にはきつく叱ってしまうこともありますが、日頃は穏やかに接していたいものです。
今回、心理カウンセラーである私が意識している子どもが癇癪を起したときの対処法を紹介しようと思います。
なお具体的なテクニックの部分もあれば、マインドの部分もあるので分からなければお気軽にお問い合わせください。
1.子どものなりの頑張りを認める
子どもが癇癪を起すのは大体が『自分の思い通りにならない時』です。
ただでさえピリピリしていてもどかしい気持ちになっているところに「コラッ!!」なんて叱られればパニック待ったなしです。
少し想像して欲しいのですが、人前で針に糸を通そうと頑張っていたとします。
いつもはすんなり通せるのに、人に見られているせいかなかなか通りません。
このような時に、
「おい、早くしろよ」
「なにもたもたしてんだよ」
なんて言われたら、「うっさい!黙ってて!!!」と怒ってしまいますよね。
このような精神状態に陥ることが子どもは多いのだと思います。
冷静に考えれば当たり前の話で、
お箸を使う経験も、服のファスナーを上げる経験も、風邪をひく経験も何もかも経験値が大人に比べれば少ないですものね。
当然、自分が起こす行動によってその後何が起こるのか予想するのも難しいでしょう。
だから失敗が多いのでしょう。
失敗から人は学ぶことが出来るので、親としてはなるべく怒るよりも励ましたり勇気付けるのが良い関りなのだと思います。
たとえ不器用で上手くいかなくともチャレンジしている頑張りは認めてもいいですよね!?
2.怒るにしても直前の行動を認める声掛けをしてから
ここが最も重要な点になります。
具体例を挙げた方が分かりやすいので例を上げましょう。
設定:子どもがお風呂上りにすっぽんぽんで、絵本を読みだしたとします。
こんな時、意識していなければ、
「風邪ひくから早く着替えなさい!」
「ばい菌つくから着替えようね。」
なんて言ってしまうでしょう。(私もついつい言ってしまいます・・・)
ただ、このように声をかければ返ってくる答えとしては、
「今、本を読んでるんだから!!!」
とまるでこちら(親)が間違ってるかのような言われ方をしてしまうでしょう。
そこにカチンときて言い合いになって、泣く泣く着替えるみたいなことを繰り返すと親子ともども嫌な気持ちになりますよね。
いったんは子どもの受け入れがたい行動に関してもグッと言葉を飲み込んで、認める声掛けから始めてみてください。
「絵本、楽しそうに読んでいるね」
「裸ん坊で絵本読んでるんだね」
このように否定せずに肯定文で終わらせるように心掛けてみてください。
おそらくこのように声をかければムカつく返事は返ってこないですし、親側も命令せずに済んで多少気持ちが落ち着くでしょう。
1~2度子どもの言動を受け止める言葉かけをした後に、
「ママはお着替えを先にしてくれると嬉しいな」というと大体は言うことを聞いてくれると思います。
うちの子もしょっちゅうやって欲しい約束事(手洗いや着替えなど)を守ってくれないのですが、
一度、直前の行動を受け止めた後に、「~するの忘れちゃった?」と聞くとすぐに思い出してやってくれます。
【マインド】子どもにへりくだるor実験をして楽しむ
ここからはマインドの話になります。
親が子どもに対して怒っても癇癪に繋がりそうなことは何となく分かっていただけたかと思います。
しかしながら、親も思い通りにならないことに対しては冷静でいられなくなる時があるでしょう。
こんな時に、私が実践している気持ちの持ちようを2つ紹介します。
1つ目が子どもに対してへりくだった気持ちで接するということです。
「~しなさい!」、「~して!」ってどれもお願い事なんですよね。
そう考えるとお願いするときの態度としては、乱暴な怒った態度でお願いするのはおかしな話になります。
「〇〇ちゃん、ママのお願い聞いてくださいませ」、「〇〇くん、パパの話も聞いて頂きたいな」
気持ちの持ちようとしてはこのくらいの気持ちでいた方が冷静で穏やかなコミュニケーションが取れそうです。
もう1つの気持ちの持っていき方としては、子どもを実験して楽しむということです。
実験と聞くと何やら人を試すようで嫌悪感を感じるかもしれませんが、
あらゆる人間関係において相互理解するためにはこのような気持ちも大切なのかもしれません。
例:私がこんな言動をしたときには、子どもはこんな風な反応を示した。その時はこんな状況だったな~。
だとしたら、『実験的に』私が前とは違うような言い回しをしたらどうなるんだろう・・・
このような例を繰り返していけば、いつかきっとお互いが居心地の良い関わり方を身に付けられるはずです。
厳しい事を言ってしまいますが、子どもが同じことを失敗して同じように怒っているのであれば、
親子ともども何も成長できていないということになってしまいます。
カウンセリングルームを利用される方
子育ての相談を受けることもよくあるのですが、中でも多いのが子どもへの虐待です。
虐待も程度の問題はありますが、子どもを引っぱたいたりするのも虐待の中に入るでしょう。
他人に手を挙げてはいけないのに、子どもにはオッケーなんておかしいですもんね。
カウンセリングルームを利用されるということはそのような自分を変えたい、怒るのを止めたいという思いで問い合わせて頂く方が大半です。
そしてご相談頂く方のほとんどが女性になっています。
これは、男性と比べて子どもと関わる時間が長い事と、男性が虐待をしていてもそれを悪い事と思っていないケースが多いからだと思われます。
一昔前までは愛のムチだ、しつけの一環だと言われていましたが、冷静に考えれば昔の時代が狂っていたわけですよね。
厳しいしつけを乗り越えると強くなれるなんてことは全くなくて、人が成長できるのは己に勝ち続けることのみだと思います。
何やら最後はテーマとかけ離れてしまいましたが、何か上手くいかないことがあれば手段や方法を見直したり、人に相談するのも手ではあります。
こちらに挙げたコツが上手く掴めなかったり、それでも癇癪が収まらなければ、こちらでなくてもいいので誰かに相談することをお勧めします。
うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。