自分の身体反応のクセを知る
身体反応の中には、いろいろなものがあり、個性が出やすいものです。
例えば、腕組や足を組む動作は、自分を守るための防衛的な行動反応として見られます。
腕組の動作をする時、私の場合は考え事をする時が多いです。
その時は、他人の意見を聞くというよりも、自分の頭の中を整理するため、ガードをしているように思います。
身体的な反応というのは、その人の感情を投影することが、ほとんどです。
そして、それは嘘をつこうとしても難しいものです。
言葉では、巧みに騙すことが出来ても、目線が定まらなかったり、自分の話したい内容になかなか辿り着かない時には、首を振ってみたり、汗が出たり・・・
そういう言葉に表れない動作というのは、自分でも気付かない「クセ」として出ることがあります。
そういった「クセ」に心理状態が反映されるのです。
さて、ここでは、とりわけ他者に伝える非言語的な身体の反応に着目するのではなく、自分自身の身体の反応を注意深く観察することについて話します。
「あの人と話すと胸がドキドキする・・・」
「あの人に触れた、気持ちがそわそわして落ち着かない!!」
そう、このような反応は、「これって・・・恋??」
という、ドラマでよくありがちな身体反応の1つです。
こういった反応も、過去のデートなどの好きな人との思い出を振り返ったりする中で、自分の身体反応に気付き、自分の感情を発見・確認するというものです。(感情の明確化)
身体反応というのは、自分の純度100%の素直な気持ちの表れです。
ここに着目出来れば、自分のことをより深く知ることが出来るようになるので、自分の特性を活かした人生をプロデュースするヒントになり得ます。
上記の例では、幸せな話でしたが、反対の側面があることも抑えておきましょう。
例えば、不眠や拒食・過食、動悸なんかも非常に重要な身体反応の1つです。
「なんか、眠れない、でも明日も仕事早いし早く寝ないと・・・」
このように思ってもなかなか眠りにつけなかったりしませんか?
こういう時は、なんで眠れないのかを考えると良いです。
「明日のプレゼン、準備は本当に万全か?」
「今度、私の苦手な人と食事に行く予定がある、嫌だな・・・」
などなど、自分の中で、眠れない理由が沸いてくるかもしれません。
その場での対応としては、考えて解決するものならば取り組めばいいのですが、どうしようもないものに関しては考えないことです。
そうは言っても考えてしまうもので、それに苦しんでいるようならぜひ、カウンセリングを利用されるといいかと思います。
不眠というのは、頭の整理や気持ちの整理がつかないために生じるサインとしても捉えられますので、自分の本当に気掛かりなことを一緒に探して解決していきましょう。
今回は、恋のドキドキ感と不眠という身体反応を主に話を進めましたが、着目したい身体反応は無数にあります。
カウンセラー(ライフコンサルタント)は、そういった反応にも目をつけて、総合的にあなたを理解しようと努めます。
自分のことをもっと知りたい、自分のことが分からないという方は、ぜひ一度私とお話してみませんか?
最後に1点だけ注意点があります。
身体反応の意味づけは、人によって異なることが大いにあります。
本に書いてあったから、ネットでそういう記事を見たからと鵜呑みにせず、あくまで冷静に自分を見つめ返してみることです。
時として、多くの人と意味合いの違う身体反応を持つ人もいますので、それは、一般論などで片づられるものではありません。
今回は、自分の何気ない身体反応の意味を考えて、本当に自分がしたいことや感じていることを得られるためのヒントをご紹介しました。

うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。