カウンセリングを受けている最中に、思わず涙が出てしまうことがあります。
言葉にならず、ただ「すみません…」とつぶやかれる方もいます。
けれど、カウンセリング中に涙が出ることは、まったくおかしなことではありません。
むしろ、心が動き始めたサインでもあります。
心が安心すると、涙が自然にあふれてくる
人は、緊張や不安の中では涙を抑える傾向があります。
しかし、安心できる空間や相手の前では、押さえてきた感情が少しずつ表に出てきます。
カウンセリングは、まさにその「安心できる場所」。
心が安全だと感じた瞬間に、抑えていた気持ちが形を変えて涙としてあふれるのです。
それは悲しいだけではなく、ほっとした涙や言葉にできなかった思いの涙であることも多いです。
泣く=心が弱い、ではない
「泣くのは恥ずかしい」「泣いてはいけない」と思ってしまう方もいます。
日本では特に、「人前で泣かないこと」が立派だと教えられる文化があるため、
涙を見せることに抵抗を感じる人は少なくありません。
でも、カウンセリングでは泣くことも心の表現のひとつです。
涙は心の奥にある感情が外に出た証拠であり、むしろ変化が始まっている瞬間でもあります。
現場のリアル:「ティッシュは必需品です」
私が開業前にカウンセリングの師匠から言われた言葉があります。
「ティッシュは必需品ですよ!」と笑いながら話してくれたことを今でも覚えています。
実際に相談を受けていると、涙される方は一定数いらっしゃいます。
それは決して悲しみだけではなく、
「やっと話せた」「聞いてもらえた」「自分でも気づけなかった思いが出てきた」
──そんな瞬間に流れる涙です。
私自身、その場に立ち会うたびに、
「心が動いた」という大切なサインだと感じています。
泣いてしまった時の過ごし方
もし涙が出てしまったら、無理に止めなくても大丈夫です。
うまく言葉にできなくても、その時間そのものが大切です。
泣きながらでも、沈黙のままでも、
そこにいる自分を少しずつ受け止めていくことが、
カウンセリングの中で起こる自然なプロセスです。
まとめ:涙は“心の回復”の始まり
カウンセリングで泣いてしまうのは、決しておかしいことではありません。
むしろ、安心して自分の内面と向き合えているという大切なサインです。
涙は弱さではなく、心が回復へと動き出している証。
もし涙が出たら、それを否定せず、そっと受け止めてあげてください。
カウンセリングは、そんなあなたの心を優しく包む場所です。

うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。













