HSP/HSSとは
・HSP(Highly Sensitive Person):過度に敏感な人
・HSS (High Sensation Seeking) :大きい感覚や刺激を求める人
今、5人に1人がHSPの気質(性格や特徴)を持っていると言われています。
HSP/HSSどちらも、人間関係を築くうえで不都合が出るかもしれません。
今回は、HSPの方をメインに、特徴が変えられるか考察していきます。
敏感になるとどうなりやすいのか?
・「あの人は、私のことを嫌いっているに違いない(強迫観念)」
・「私は、あの人を傷付けてしまって、なんて嫌な奴なんだ(自己肯定感の低下)」
・「もう誰にも会いたくないし、何もしたくない!(意欲の低下)」
上に挙げたもののほかにも、敏感であるがゆえに、自分にとってマイナスな感情や思考を持つと思います。
また、いろんなところに気が付いたり、反応するので、すっごく疲れると思います。
いろんな気遣いをした挙句、
相手がその配慮に気付かなかったり、相手が望むものと違って、すれ違いが起きたりというのは、よくあることかと思います。
HSPではない人からすると、「そんなの考えすぎでしょ!?」と思うことも多いかもしれませんが、
考えたくて考えているのではなく、感じてしまう・気付いてしまうから考えてしまうんです!
もともと持った繊細な人へのアドバイス
一般的にはHSPや繊細さなどは持って生まれたものとされていることが多いです。
もって生まれた気質であれば変えることは難しく上手に付き合っていくことが大事になります。
繊細で敏感な私で普通。
人よりも色んなことに気が付いてしまうことは普通のことなのです。
このような方たちに生きやすくするためのヒントを2つ!
①自分の普通を分かって貰うことを諦める。
②気付いたことを確認してみる。
私も間違いなくHSPの気質を持っていていますが、私たちが普通に感じていることを多くの方たちは感じ取れません。
私の妻はどちらかというといろいろなことに気付くことが少ないようで、
私に対して「細かい」とか「そんなことを気にするの?」とよく言われていました。
僕が普通に感じていたことを妻は感じ取ることが出来ないわけなので、それを分かって欲しいと訴えても難しいんですよね。
では、繊細な人同士ならば上手くいくかといえばそれもまた違う話で、どこに敏感に反応するかは人それぞれ異なります。
HSPの人でも、そうではない人でも自分の普通を当たり前のように相手にも当てはめようとすると関係性は上手くいかなくなり、
結果として自分自身を傷付けてしまうことにも繋がるかもしれません。
自分の普通は自分だけのもの。相手の普通は相手だけのもの。
家族であろうと恋人であろうと全部一緒じゃなくても大丈夫ですし、違っていて自然なことなのです。
相手や周りの人の普通に無理に合わせず、自分の普通を押し付けようとせずに楽に過ごすことが出来るようになると思いますよ。
また対人関係では、自分が感じ取ったことを相手と答え合わせをすることも大事だったりします。
何となく困っていそう、何となく怒っていそうなど自然と私たちは感じてしまいますが、そのようになった理由までは感じ取れないことが多々あります。
自分のせいで困らせていたり、怒らせているならば何かしなければいけない気にもなりますが、自分のせいでなければ逃げちゃえばいいですもんね。
「これは相手の問題だから勝手にして下さいね~」と見守ってあげましょう。
HSPの人たちは優しい人が多いです。
何とかしてあげたいという思いも、相手がそれを求めていなければ無駄な労力に終わることもあるでしょう。
人に何かをしてあげる時は余裕のある範囲で!
自己犠牲の下誰かに何かをしようとすると見返りを求めてしまって報われないことが増えてしまうかもしれません。
仕方なく身についてしまったHSPの人たち
性格や気質は持って生まれた先天的なものもあれば、環境などにより身に付けた後天的なものもあります。
ずっと両親が夫婦喧嘩の絶えない家庭だったら、
子どもとしてはそれを阻止するためにいろんなことを先回りして、ケンカにならないように気遣うでしょう。
もしくは、火種が自分に来ないように、先回りして逃げるということもあると思います。
そのような経験(家庭環境に限らず)を幼い頃から、何十年も経験していけば、どうなるでしょうか?
「敏感でいること=自分を守ること」と、どこかで解釈すると思います。(無意識かもしれません)
HSPの人たちの中には、ある種「処世術」としてHSPの気質を身につけた方も少なくないのです。
自分の普通や常識、当たり前は生育環境に大きく左右されることがあります。
もしかすると自立というのは、今まで当たり前だと思っていたことを疑って自分なりのものを身に付けていくことなのかもしれませんね。
子どもが親に認められたいというのは誰しもが感じる思いです。
しかし残念なことに子どもを認められない親もたくさんいます。
それは親の問題であって、あなたが悪いわけではありません。
自分のことを分かってくれる人を求めて、そのような人が現れればその人のことを大事にしてあげましょう。
自分の気質を変えるには?
HSP/HSSにしても性格など気質はある種『クセ』とも言い換えられるでしょう。
クセは何故身についたかというと意識・無意識問わずたくさんそのクセをしてきたからクセになってしまったのです。
そのクセを変える方法で一番シンプルなのは、新しいクセを身に付けて上書き保存することです。
もし、人に頼ったり甘えるのが苦手でついつい自分で抱え込んでしまうことが多いのであれば、頼ることをクセづけてしまうのです。
とまあいきなりそういわれても難しいと思うので、
・店員さんにおすすめを聞いてみる
・友達やカウンセラーなど人に相談してみる
・ごみ捨てをお願いする、テーブルの上の調味料を取って貰うなど簡単なお願いをする
このようなところからでもいいので、今までの自分がしなかったことを積み上げていけば将来新しい自分がそこには待っているでしょう。
当カウンセリングルームでは、相談者が今までしなかったであろうこと、
今の相談者の状態で越えられそうなハードルが何になるか一緒に考えさせて頂いています。(もちろん今までの経緯を受け止めてから)
もし漠然とした生き辛さや不安などを1人で抱えている方がいましたら、遠慮なくご相談頂けると嬉しく思います。
また、私がうつ病を患っていた時はHSPの気質がかなり強く出ました。
光・音・触覚などあらゆる刺激が不快で人の話し声を耳にするだけでも胸がぞわぞわしていました。
ストレス過多の状態も人を敏感にさせることに繋がりますので、
日頃自分の気持ちや意見を出すことをついつい我慢してしまう方もぜひこの機会にカウンセリングも検討して欲しいなと思います。
悩みや辛さを人と比べる必要はありませんし、カウンセリングは病気や大きな問題を抱えた人のためだけのものでもありません。
すぐに解決できないようなことでも、誰かと悩みや気持ちを共有することは言葉では言い難い安心感が得られると思いますよ。
☆HSPの方には、『「繊細さん」の本 武田知紀 飛鳥新社』をお勧めしています。
こちらから著者のホームページにとべますので、ご興味のある方はぜひ!
うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。