今、10人に1人は産後うつを経験していると言われています。
他の人から見て幸せと思われる出来事であっても、当の本人は苦しい思いをしていることが多々あります。
結婚や出産、昇進や出世など幸せと思えることがどうしてストレスになるのか考察していこうと思います。
目次
幸せな事には責任が伴う!?
私がメンタル不調に陥った時(ご興味のある方はうつ病体験記を参照ください)には、結婚が1つ大きなストレスになっていました。
周りの人からは、「新婚で幸せね」、「今一番楽しい時でしょ!?」などと言われましたが、
私は結婚当初、幸せをあまり感じられませんでした。(妻よごめん。)
結婚に対する自分の考え方の中に、
- 妻を食べさせていかないといけない
- 幸せな家庭を築いていかないといけない
- お金を安定的に稼いでいかないといけない
このような様々なプレッシャーに身が持たなかったのだと思います。
結婚ならパートナー、出産なら子ども、昇進や出世は部下や後輩・・・
他にも家を建てたり(ローン返済の責任)、旅行へ出かけたり(満足させよう、スケジュールをこなそうなどの責任)
どうやら、幸せな事には何らかの責任のようなものが付きまとい、それがストレスになっているようです。
幸せを幸せと感じられない人の特徴
前段を読んで、
『そんなの考えすぎだよ!やれることをやっていけばいいだけじゃん!』
このように思えた方は、きっと幸せを感じられるタイプの方です。
よく聞く話かもしれませんが、うつ病になりやすい人の特徴として、真面目であったり頑固な人が陥りやすかったりします。
- 幸せな結婚にしなければならない
- 子どもには不自由なく幸せになって貰いたい
- 部下から信頼できる上司でありたい
- 仕事が出来る先輩と思われたい
などなど【~すべきだ、~でなければならない】などの自分なりのルール=マイルールを持っていると幸せなこともストレスに変わります。
確かに上に挙げた目標と言いますか、希望は持っていても何もおかしくありません。
ただ、その目標通り『完璧』でなければならないと思うと途端にストレスや生き辛さに繋がるでしょう。
初めて与えられた役割(夫または妻、親、役職など)を最初から完璧にこなすことは不可能です。
周りからの期待もあるかもしれませんが、それは他人の感想なので鵜呑みにしないよう注意しましょうね。
幸せを幸せと感じるために気を付けたい2つのポイント
①心に余裕を持つこと
もし仮に、宝くじで10億円当選したり、好きなアイドルや芸能人とお近づきになれたとします。
こんな時に、鳥に糞をかけられようが、タンスの角に小指をぶつけようが、笑って済ませられますよね!?
反対に家族とトラブルを起こした後や、職場で怒られた後にタンスの角に小指をぶつけたらどうなるでしょうか・・・
「いい加減にしろよ!このやろー!!」(激しい怒り)
「はぁー、自分は世界一不幸な人間なんだ・・・」(絶望)
このように心の状態によって、同じ出来事が起きた時の捉え方や感じ方は異なります。
上記の例はマイナスな出来事が起きた時の話ですが、プラスの出来事が起きた時も同様です。
幸せを幸せと感じるためには心に余裕やゆとりを持つと感じやすくなるでしょう。
②いろんな考え方や捉え方をしてみること
「それが出来れば苦労しません」という声が聞こえてきそうですが、いい訓練の仕方があります。
それは、『出来る人の出来ない部分を探して、出来ない人の出来る部分を探すことです』。
出来る人の出来る部分には自然と目が行ってしまうことは自然なことです。
また、出来ない人の出来ない部分に目が行ってしまうことも自然なことです。
しかしながら、どんな人であっても出来る部分もあれば出来ない部分があって当然です。
相手の出来る部分と出来ない部分、全てを認めて許すようにしてみましょう。(自分に直接害を及ぼす人は例外です)
相手全体を受け止めることが出来るようになれば、自分全体が受け入れられるようになっているはずです。
自分を許すことが出来ない時は他人を許すといいかもしれませんよ!?
全部を変える必要はない
マイルールや自分の性格や考え方を変えるのは、自分そのものが全て変わってしまいそうで怖いと感じるかもしれません。(私もそうでした)
でも、大丈夫!!
全部を変える必要はありません。
責任感や真面目さ、頑固さ慎重さ・・・
どれもとても大切なもので、大事にしていきたい個性の一つです。
ただし、幸せなこともストレスに感じる方は、それが少し『行き過ぎている』だけです。
行き過ぎた自分の性格や気質を変えることはとても大変なことかもしれません。
しかしながら、ほんの少し意識をしてみること、ほんの少し行動を変えてみること、興味はあってもやらなかったことをやってみること・・・
こんな些細な変化が自分を変える大きなきっかけになることもしばしばあります。
「人は変わらない」と言われることもありますが、私はカウンセリングを通して変わってきた人を何人も実際に見ています。
もちろんカウンセリングは相談者とカウンセラーの相性もありますので、万能ではありません。
けれども、
- このコロナ禍で相談できる人がいない
- 相手の話ばかり聞いて自分の話をしてこなかった
- 自分の気持ちに我慢することが習慣になっている
このような方たちには、ぜひカウンセリングを検討して頂けると嬉しいです。
今がちょっとでも良くなるよう一緒に考えさせて頂きます。

うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。