親子・夫婦・恋人など人間関係の中で共依存の状態になることがあります。
今回は、共依存について例を挙げながら説明していこうと思います。
共依存になってしまう人の心理や、そのまま放っておくとどうなるのか、脱却するためにはということも含めてご紹介します。
共依存とは??
言葉での説明は分かりにくいので、実際に起こり得そうな状況を想定して紹介します。
○親子で起こりうる共依存の例
親:「お母さんのためを思って、あなたは我慢しなさい!」
子:「(本当は嫌だけど)分かったよ・・・」
親:「分かってくれれば、それでいいのよ。」
○夫婦で起こりうる共依存の例
夫:「お前は俺がいないと生きていけないんだから、言うことを聞けよ」
妻:「(確かに収入面では頼ってるし)はい、分かりました」
このような状態を共依存の状態と呼びます。
少しかみ砕いていうと、「過度な認めさせたいと認められたい」が噛み合ってしまっていると言ってもいいかもしれません。
なぜ、そうまでして認められたい?
客観的に見ると、そんな環境ならば逃げ出してしまえばいいのではないかと思うでしょう。
でも、そこには2つの気持ちが働きます。
1つ目は愛されたいから。
子どもは親の愛情を無意識に求めてしまいます。
恋人や夫婦などもパートナーに愛情を求めます。愛情は認められたいと言い換えてもいいかもしれません。
なので、たとえ理不尽な要求であったとしても、それに応えることが出来れば相手を満足させることが出来る。
そうなれば相手から愛情を貰えるかもしれないと思うのです。
2つ目は自分に自信が無いから。
共依存はお互いにとても不安定な状態で、お互いに寄りかかっているような状態です。
自分の判断に自信が無ければ、相手の判断に頼らざるを得ませんし(=依存型)、
自分の判断を否定されのが怖ければ、力なり言葉で相手を丸め込みます(=支配型)。
つまり、「人からどう思われてもいい、自分は自分でいいんだ!」という自信が無いのです。
共依存がエスカレートすると・・・
・支配型 ➡ DV・虐待・パワハラ・モラハラ
・依存型 ➡ ストレス性の心疾患、不眠、過食・拒食、自傷、引きこもり
➡ または、自分より立場の弱い人に支配型になる
共依存も進んでしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません。
共依存から脱却するためには
簡潔に言えば、自分自身を客観的に見つめることです。
自分がされて嫌なことは人にしてはいけませんし、
嫌なことを嫌と言えないのは相手を肯定していると認識されても仕方ありません。
自分が自分自身に気付くのはとても難しい事です。
その気付きのきっかけになるものが、カウンセリングや誰かに相談することです。
もし、この記事を読んで、人間関係で共依存になってそうだと感じた方は、早めにご相談ください。
うつ病歴3年。カウンセリングによって症状が寛解した体験を持つ。
現在は産業カウンセラーとして、個人のカウンセリングからメンタルヘルスの研修講師、行政(静岡県・静岡市)の相談員を務める。
「カウンセリングをもっと身近に」をテーマに押し付けない、負担にならないカウンセリングを心掛けています。